お線香・お香のQ & A

今までに頂いた色々な質問にお答えします。

火をつけなければ、香りがでないのですか?

お香やお線香に調合されている香料は常温で香りを発するもの、加熱しないと香りを発しないものなどいろいろです。しかし、匂い袋は常温で香りを発する香料しか使えません。時々、沈香を配合した匂い袋を作って欲しいと依頼されますが、沈香は180度程度に加熱しないと香りが出ないので配合しても意味がないのです。


タバコの煙りは、お香ですか?
お香ではありませんがお香と同様に香料が配合されています。蜂蜜、バニラや丁子、メンソールなどタバコの香りを特徴付ける香料が使われています。

たくさん焚いた方が良いのですか?
香りは量より質が重要です。香十徳の中に、多くても邪魔にならない、少なくても足りると表されているのは良い香りのお香を指します。良い香りは少なくても良い香りです。しかし、質の低いお香やお焼香をたくさん焚いても決して良い香りにはなりません。

仏事になぜお香を焚くのですか?
その場所を清めること、そして自分自身を清めるためにお香を焚きます。お香を焚くと香りが広がりますのでその香りで自分を清めます。また、塗香と言って粉末状のお香を手のひらに塗り、その香りを口や鼻から吸い込んで体の中から清めるものもあります。
ですから、ご葬儀でお焼香される時はお焼香台に進んで最初に手を合わせずに黙礼し、お焼香を少量つまんで1回又は3回香炉に入れます。お焼香の香りが立ちのぼった後(香りで清められた後)に初めて数珠をもって手を合わせお参りするのです。
お香の成分には抗菌作用を持つものがあり、空気中の雑菌を押さえる効果を示します。想像ですが、古代からその効果を体感上認めていたので、清めや邪鬼払いの目的で使われるようになったと考えています。

漢方とお香の違いは何ですか?
お香には香りの良い香料を使います。元々、薬として使われていた漢方生薬の中から清める効果の高いものや香りの良いものを選んでお香に配合した訳です。従って、香水系のお香以外は殆どが漢方薬系の香料を中心に配合されています。

お香を焚くとなぜ香りがするのでしょう?
植物がそれ自身を守るために発散する成分を私共はお香に利用しています。その成分はそれぞれ特徴ある香りを持っています。それをお香に配合していますので、火を着けて加熱すると速やかに成分が発散し、香りとなります。

お香は体に良いのですか?
お香は数千年以上の昔から使われています。香りの成分で役に立つものや香りの良いものを選りすぐって現在のお香が作られています。気分転換や鎮静に効果があると認識されていますが、薬ではありませんので効用をアピール出来ないのが現状です。

なぜ渦巻線香を使うのですか?
仏教の経典の一つに維摩経と言う14巻からなるお経があります。その第10巻に輪廻転生とお香について説かれた部分があります。人が亡くなってから新しく生まれ変わるまで、早い人で初七日目、次の人は二七日目、どんな人でも七七日、即ち49日目の満中陰には必ず生まれ変わると説いています。亡くなってから生まれ変わるまでの期間を中有(ちゅうう)と呼び、それを満たす意味から満中有(満中陰)と言うのです。その間は唯一お香の薫りのみを食べ物として生活するのでお香を絶やさないように焚き続ける必要があると説かれています。また、多福な人は良い香りに巡り会うとも説いています。
しかし、忙しい生活の中で追善供養として長時間お香を焚き続けるのはたいへん困難な事です。それを解消するために明治時代の大阪で渦巻線香が考案され、広く使われるようになりました。渦巻線香は1枚で12時間火持ちしますので1日に2枚、朝夕の同じ時間に焚き継げば薫りを絶やすことがありません。

お線香は、一度に何種類も焚いてもいいんですか?
通常は1種類のお線香を3本焚きます。ここでちょっとした工夫をしてみませんか。貴方のお手元に種類の異なるお線香があれば試して頂きたいのです。例えば白檀系のお線香2本と沈香系のお線香1本を同時に焚きます。そうすると空中で香りの調合が行われ、一風変わった新しい香りが生まれます。単純な調合のお線香が数種類あればいろいろな組み合わせが可能です。どうぞ、お試しください。

お線香の太さが以前買った商品よりも細く感じますがなぜでしょうか?

お線香を細い筋状に成形するため、小さな孔がたくさん開いた「巣金」と言う物を使います。粘土のように練り上げた材料を油圧プレスを使って「巣金」の小さな孔(直径2mm)から押し出すのです。スパゲティと全く同じ方法です。この「巣金」はステンレス製ですが、何度も使っている内に孔が擦り減って大きくなります。従って、新しい「巣金」と古い「巣金」では直径がわずかですが異なってしまうのです。
当社ではお線香の乾燥後寸法で直径1.8mmから2.0mmの範囲内に収まるように「巣金」の孔の寸法管理を実施しています。一方、内容量は重量で決めていますので、細いお線香は本数が多く、太い物は少なくなります。

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